初めてのソロテント泊におすすめのルート 1時間未満で幕営地に到着 失敗談も

初めてのソロテント泊は行程が短いところから

何を持っていけばいいのか、衣食住を担いで歩けるのか、不安とドキドキの初めてのテント泊、私が選んだ行先は、富士見平小屋テント場経由の金峰山。
ド初心者のくせに午後2時から登って怖い思いをした、初めてのソロ山行から約半年後、2018年の5月のことでした。

富士山の佐藤小屋泊での雪上訓練に参加したり、年末年始は鳳凰山でのテント泊に連れて行ってもらったり、2月に八ヶ岳連峰の権現岳にソロ登山してみたりして、

いよいよひとりでテント泊登山をしてみよう!

と思ってのことです。

瑞牆山荘からテント場まではコースタイムにしてわずか50分、高低差約300メートルというイージーさが、ここを選んだ理由でした。

颯爽と瑞牆山荘の駐車場にRX-8で乗り付けた私は、周囲の登山者よりちょっと大きい荷物を背負って歩き始めます。
楽勝日帰りコースですから、ほとんどの人は小さなザックを背負っている中、テント泊装備を背負っていることがなんだか誇らしかったのを覚えています。


道中から見える景色

そして歩くこと、わずか40分ばかりで、富士見平小屋へ到着しました。
前回ここに来た時は雨でしたが、今回は晴れ。
そして私はひとりでテントで泊まるんだという、もうワクワクと不安が綾なす景色の美しいこと。


平日だったこともあり、たしか小屋は無人状態で、料金は備え付けの箱か何かに入れました。
今なら小屋でビールを一杯やってから、あれしてこれして・・・などと楽しみまくるところですが、料金はどうやって払うのか?小屋に泊まらない人も小屋で食事ができるのか?(小屋は閉まってたけど)
などと、全てが新鮮で不安で楽しくて・・・でも、不安が若干勝っていた気もします。

不安ながらも、初めてひとりでテントを設営しました。

私が選んだ、「持ってる人」のテント

これは山梨の石井スポーツで買った、防水透湿のシングルウォールテントに、無駄にフライをかけた当時の姿です。
何も知らない私がとりあえずテントを買おうと思い、最寄りの店が石井スポーツだったので、そこで

「テントくーださいっ」

って言ったら、これを買うことになりました。
仲間からは、「初めて買うテントがこれだったなんて、引きが強い」と言われます。

私もそう思います。

なんか、「やってる感」が出る気がします。

ちなみに無駄なフライというのは、防水透湿素材でできているテント、かつ雨の予報もないのに、無駄にフライを使っているということを言っています。
フライを使えば、二重サッシみたいにテント内の結露を最小限に抑えられますが、そんなもん手拭いで拭いておけばいいんですよ。

なんなら拭いた手拭いを絞って、飲み水を確保したっていう人が、身近にいます(このブログに頻出のNおじさん)。

それと、当時は何もわからず、とりあえずテントとフライはワンセットだと思っていました。
そしてペグは12本持っていかなければならないと思っていました。
今は基本、持っていかないか、持っていっても4本程度です(落ちている枝や石を使うので)。

初めての、ソロへべれけタイム

一応テントの設営ができ、その後金峰の山頂を踏んで、いよいよ晩酌の支度です。

米は液体で摂るのがモットーの私ですが、ワインも大好きで、テント泊でブルゴーニュの赤を飲むのが夢だったんです。
で、そのための「プラティリザーブ」をアマゾンでポチり、なんかワインのつまみによさそうなものを担ぎ上げました。
そして初めてひとりで、バーナーを使って山での自炊をしたわけです。


お酒を担ぎ上げるならコレで

そもそも山で自炊をするのに、何を買ったらよいのか?
それは一口には言えないことなんですが、とりあえずプリムスのガスやバーナーを購入し、ガスのサイズに合わせた、入れ子になる小さな鍋で炒め物に挑戦しました。

見ての通り鍋が小さすぎて、ちっともブロッコリーに火が通らんのです。

今思い返しても、アホだなーと思いますね。
笑っちゃいます。

でも初めての、テント場で

「ひとりでできるもんクッキング」

ドキドキもワクワクも楽しさも、そしてちょっとした心細さも、全部詰め込んだ「砂肝とブロッコリーの炒め物」でした。

今同じことをしたら、肴のクオリティは爆上がりですが、テンションはここまで上がらないでしょう。

無駄に重い、ヴィクトリノックスのナイフなんて持って行っちゃってましたね。

山メシも効率だけで言えば、軽量で日持ちがするアルファ米が合理的なんですが、やっぱり汗をかいた後はビールをキューッとやって、くぅ~~~~ってなって、はぁ~ってしみじみして、それから日本酒とか好みのお酒と肴でって、やりたいじゃないですか!

私はやりたいんですよ!

それで夜が更けていくのが最高なんですよ!

最近は、釣ったカワハギでひれ酒作って、

「これが本当の sea to summit だ!」

とかやってます。

ほろ酔いになりながら、今日はこのまま日没してもいいんだなと、余裕を持った気持ちで夕焼けを眺め、ひとりでマットに寝ころびながら、「前回ここに来た時は雨で、コーヒー雨水ブレンドになったっけな・・・」と思い出す、至福のひと時。

ひとり見上げる夕焼け空が新鮮だったあの頃

トイレに行ったらテントを見失う⁉

そして、ひとりで初めての山の夜。

飲めば近くなるのがトイレ。でもトイレはテントから遠い。
そして当然のことながら、夜の森は真の闇。
でも行かなきゃしょうがないので、クッソしょぼいヘッデンつけてトイレへ行きました。

今なら手のひらサイズのビンディで、千鳥足でもトイレへ行けます。
軽さは正義。

トイレに行ったはいいですが、さてテントに戻ろうと思うと、真っ暗すぎて自分のテントがどこにあるかわからない・・・!
あまりライトで他のテントを照らすわけにもいかないし、かといって足元だけを照らしていても、自分の現在地がよくわからなくなるばかりです。
そして私は思い出すのです。

ここ、富士見平小屋は、かつて殺人事件があった場所だということを。

こうなったらもう、後ろなんて振り向けません。
その後どうにか自分のテントに戻り、「これは何か対策が必要だ」と思った私は、アホなことに変なグッズを購入するのでした。

それは、テントの張り綱につける明かりのようなもので、キャンパーが張り綱にけつまづかないようにするためのものでした。
そんな余分な荷物を担ぎ上げなくたって、テント内の照明を点けてからトイレに行けばいいだけなんですよ。
ほんとアホですよね。

テント内の照明も、その後の試行錯誤の末、現在は「たねほおずき」に落ち着いています。
軽さや明るさを総合的に考えた結果、数々の屍の上に、たねほおずきが君臨しました。

小鳥の、「また来てね」営業

さわやかなめざめの翌朝、あとは撤収して帰るだけなので、木洩れ日の中でゆっくりと朝食をとり、コーヒーを飲んで、終わろうとしている「初めてのひとりテント山行」を振り返ります。
名残惜しい気持ちを胸に撤収にとりかかると、なんと小鳥が飛んできて足にとまりました。
何の種類かもわかりませんでしたが、とにかくびっくりするやら嬉しいやら。
後日知ったところによると、あの界隈ではコガラか何かが、人から餌をもらうのに慣れてしまっていて、それはいかがなものかという話になっていたようです。
その是非はさておき私は、「おお、そうかそうか、引き留めてくれるのか」と都合の良い妄想とともに、帰路につきました。

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