安曇野に移住して、初めての冬

松本での仮住まい時代のこと

2024年11月、ようやく安曇野の家のリフォームが終わり、移住が完了しました。
よし、移住しよう!となってから、ほぼ一年を要したので、ようやくこれで終の棲家に落ち着ける、といった感があります。

仕事は4月1日より松本に転勤となりましたので、その間は松本のアパートで仮住まいでした。
松本の駅前で飲んでも、一応電車で帰れるのはよかったです。
「一応」というのは、松本電鉄上高地線だったので1時間に1本程度しか便がなく、終電も早いという、地方あるあるです。
電車の乗り降りの仕方も謎めいており、降りることができずに二駅先まで運ばれて、40分ほど歩いて帰ってきたこともありました。

仮住まい暮らしは窮屈でしたが、いい飲み屋やレストランを見つけたり、昼休みに松本城まで散歩できたりと、なかなか新鮮で楽しいこともありました。


転勤したての春先、女鳥羽川にて

松本城のプロジェクションマッピング

安曇野の冬はどのぐらい寒いのか

そして安曇野に引っ越して、最初の冬がやってきました。
一口に「安曇野」と言っても、私が移住先に選んだのは北の端っこの、北アルプスの山沿いです。
よく天気予報で「山沿いは雪」とか言っているような、通常の天気予報の範囲外とも言えるエリアですので、その点はご承知おきください。

松本から帰宅する際、車の温度計によれば、松本の市街地より5度は下がります。
天気もスッキリ晴れる日よりぐずついている日が多く、犀川より東側が青空なのに、北アルプスは雲の中ということがほとんどです。
そのため、庭から雪が完全に消えることがなく、常に日陰に雪が残っています。
とはいえ降雪量はさほど多くなく、今のところ雪かきが必要だったことはありません。

寒い日は、結露が凍ります。
拭かせてすらくれない結露よ・・・。

朝起きて気温計を見るのが日課ですが、1度だった時は

「東京の今日の予想最低気温より寒いやないかい!」

と、楽しくなりました。
たいてい3度前後のことが多いですが、5度だと「今日はあたたかいな」と感じます。

車も寒いと言っている様子。

バッキバキに凍ってしまうので、出勤前の暖気時間も計算に入れて、玄関を出なければなりません。
そもそも玄関が凍ってしまうこともあります。

しかし実際に暮らした感想としては、意外に寒さは大丈夫ですね。
灯油ファンヒーターを全部屋に置かないとダメなのかと思っていましたが、全然そんなことはありません。
リビングにファンヒーターをひとつと、脱衣所に小さなヒーターを置いてあるだけで、あとはノー暖房です。
楽天で買った、やっすい部屋着がすごくあたたかくて、これに厚手の裏起毛タイツを履いていれば問題なし。

あと、洗濯物は外に干せません。
別に干してもいいのですが、凍るだけで乾かないと思います。
なので、結露対策も兼ねて、除湿器を買いました。

PR

除湿器って、デシカント式とかコンプレッサー式というのがあるんですね。
知りませんでした。
ポチる前に調べてよかったです。
それぞれメリット、デメリットがありますが、私は寒い時期の除湿に使いたいので、コンプレッサー式では役に立たないのです。

この除湿器はパワフルに除湿してくれて、上部から出る風で洗濯物も乾かすことができ、大変重宝しています。
気に入ったので、もう1台追加購入したぐらいです。
ちなみに、洗面所に小さいものも置こうと思い、よくわからんメーカーの安いものを買いましたら、全然除湿しなくてクソでした。

安曇野に移住して悪かったこと

どんなことにも、良い点と悪い点があるでしょう。
私の場合、今のところ「移住しなければよかった」と思ったことはありませんが、不満点をあげるならば以下のようなことがあります。

実家から遠くなった

今まで車で10分だったので気軽に行けたのですが、これについては親不孝をしたかなという思いがあります。

飲みに行きづらい

松本まで19キロあり、代行を使うと6,000円弱かかります。
だったら東横インに泊った方がよくね?となり、会員カードを作りました。
あと、自分の家の延長のように使っていた、行きつけのお店が遠くなってしまったのも悲しいです。

ゴミ出しがめんどくさい

マンションに住んでいた時は、曜日に関係なく24時間ゴミ出しができました。
引っ越してからは、いまだに空き瓶を捨てる場所が分からないので、酒瓶がたまる一方です。

雑草や落ち葉がヤバい

庭が広いのはいいのですが、雑草は半端ないです。
今は冬なので伸びてきませんが、春になったら一体どうなることやら・・・。
秋口は落ち葉がすさまじくて、ブロワーのありがたみを痛感しました。
特にカラマツの落ち葉がむかつくので、クソ松と呼んでいます。

安曇野に移住してよかったこと

住んでみたいなーと、漠然と思っていた安曇野移住が実現して、以下のようなことをかみしめています。

山が近い

中房登山口や常念一ノ沢登山口まで車で30分!
上高地に行こうと思ったら、さわんどまで1時間足らず!
立山の入り口、扇沢駅まで45分!
折立まで3時間半!
今日は天気が悪いから燕山荘にカレーでも食べに行くかー、ってことができちゃう。

ツルヤ最強

長野のローカルスーパーです。
安くていい品がそろっていて、プライベートブランドも驚きの充実ぶり。
もやし19円ってすごくないですか?
もう全国チェーンのスーパーで買い物できません。

朝日が素晴らしい

毎朝夜明けを堪能しています。
自宅に居ながらにしてモルゲンロートが見られるとは!

縁側最高

縁側がある家に住むのが夢だったんです。
まさか叶うとは思っていませんでした。


縁側で晩酌サイコー

移住してよかったのかはナルホイヤ

しかし、住むのと遊びに行くのとは大違いだな、とつくづく思います。
今でも、

「遊びにでかけたまま、自宅に帰っていない」

ような、なんとも言えないアウェイ感が抜けません。
あれほど好きな安曇野なのに、生活の基盤となる場所を変えるのって、やっぱり人生の一大事なんだなと思い知りました。

素晴らしい景色を見て、

「本当にこんなところに住んでいるんだ」

と幸せをかみしめる一方で、どこかに寂しさがあるのも事実です。


毎日ハッピー最高!なわけじゃないですが、じゃあ東京に住み続けた方がいいのかというと、それもないな、と思うのです。
とにかく自分の選択に後悔したくないし、いずれは安曇野にも知り合いが増えて、自分のホームになっていくのだろうとも思います。


何より人生はナルホイヤ、一回きりのリハーサルなし一発勝負です。
明日が必ずくる保証だってないのですから、今というこの瞬間を、精一杯楽しんで生きるべし!

※ナルホイヤとは、イヌイットの言葉で「わからない」「なんともいえん」という意味です。