光城山~長峰山 安曇野のいやしの里山

桜の名所、光城山

長野に引っ越してようやく落ち着いた今日(2024年5月2日)、天気は快晴です。
今日こそは歩きたい、歩かずにはいられない。
本当なら燕山荘に飲みにでも行きたいところですが、日帰りで行くならいやしの里山を歩きたいと思って選んだのが「光城山」(ひかるじょうやま、と読むらしい)。

標高911.7mの、手軽にトレッキングが楽しめるコースで、桜の名所として知られています。
約2000本もの桜が登山道沿いに植えられており、桜のシーズンともなれば、ふもとから山頂に向けて昇り龍のようなピンクのラインが現れます。
桜の時期以外でも訪れる人は多く、市民の憩いの場という雰囲気です。

登山口~光城山 
さくらコース

今回、駐車場はこちらを利用。

桜の時期が終わった平日でも、20台くらいは停まっていました。
臨時駐車場の案内も目に入ったので、桜の時期の週末はすさまじいことになる予感しかしません。
登山道はとてもやさしい、いやしの雰囲気。


ガビチョウが、我こそはと高らかに歌っています。
ほんと主張が強いなとか、たくましく生きているなとか思いますが、やはり鳥のさえずりは心躍ります。
そして緑の匂い!
さすが桜の名所、時折、桜餅のような香りがします。
沢だったらもっといいのに、ミソサザイのさえずりも聞きたいな、マルハナバチのかわいいお尻にも会いたいなとか、沢への思慕が止まりません。
山吹の花が目に鮮やかで、春は好きです。
と言っても、夏も秋も冬も好きなんで、結局いつでも楽しい。


ドウダンツツジが咲いています。
東京のマンション前にも、きれいに刈り込まれたドウダンツツジが健気に咲いたり、秋には赤く染まったりしていましたが、ここでは自由に繁っています。
毎日通勤の時に見ていたドウダンツツジを思い出し、ちょっとセンチメンタルな気分にもなります。
あんなに夢見ていた長野への移住なのに、それでも長年暮らした住まいを完全に移してしまうということは、そんなに簡単なことではないようです。


途中、分岐がたくさんあります。
でもすぐ合流します。
どっちにしようか悩む必要もなさそうです。


あっ、ワラビ。春だなぁ。
しかしここは植物の採取禁止ということなので、ガマン。


光城山の山頂付近は、桜だらけ!
登山口からここまで、40分程度でした。
いやー、これは本当に桜の時期は景色も人もすごそう!


見事なヤドリギが新酒の杉玉みたいです。
よく見ると、周囲にもやたら宿りまくっていました。
アルプス公園でもたくさん宿っていたので、地域性でもあるのかな?
いずれ庭の木にも宿らせてみたい。


とても立派な休憩所もありました。


山頂近辺にはトイレや神社があり、北アルプスの眺めも素晴らしいです。
桜の時期は特に、ここまで登って、同ルートを降りても大変楽しめるでしょう。
今回はぐるっと長峰山まで一周して駐車場に戻るので、先へ進みます。
すると舗装路が出てきた上に、何やら看板が・・・。

天平の森 
食事と展望風呂が楽しめる

お?お食事をいただける場所でもあるのかな?
なんか美味しそうだなと思った瞬間、私の中の小腹が目覚めます。
そして私は気付きます。

昼食を持ってくるのを忘れたことに。

長峰山のピーク付近でおにぎりでも食べようかと思い、途中でコンビニにで買うつもりにしていたものが、青空に浮かれすぎてすっかり忘れていました。
まあ、行動食は持っているし大丈夫だけど、もし本当にこんなお食事処があって何か食べられるならうれしいです。
とはいえ、山間部のこういった施設は、夏以外は閉まっていることが多いもの。
期待はすまい。
で、やってきました、天平の森とやら。
桜は既に終わっていますが、これはきれいに咲いています。
八重桜もまだまだ見ごろでした。


一応偵察してみようと覗いてみれば、営業中!
これは嬉しいですねー。
入ってみると、おじいちゃんが「なんか誰か来た」くらいの顔をしています。

入口で靴を脱ぐと、正面には長テーブルが並んでいる広い和室があり、ここで食事がとれるのだろうか?とまごついていると、おじいちゃんが食堂を案内してくれました。


「おぉ~い、お客さん来たよぉ~」

と、厨房の奥様方に声をかけるおじいちゃん。
食堂は食券を購入して窓口に出す方式です。
使える紙幣は2,000円札まで。
2,000円札とか、久々に聞きました。

他に客は誰もおらず、窓際に陣取りました。
窓からの眺めが素晴らしい。


この天平の森は食事の他、入浴やキャンプやコテージ泊もできるらしいです。
車で来られてこの絶景で、そんなん出来るんですか!?とびっくりしました。
なんなら資本主義のケーキも200円で食べられるようです。


貸し切り状態のところに、年配の男女お二人連れがやってきました。
男性は券売機で食券を買い、女性はセルフサービスのお水をテーブルに運んできます。

おや?グラスが空に見えるのは気のせい?
と思ったら、女性が保冷バッグからノンアルビールを取り出しました。
で、おつまみをテーブルに広げます。
ここはどうやら、山小屋の要素も兼ね備えているようです。

そして男性が食券を窓口に出して、焼肉定食とソースカツ丼を注文し、

「あ、どうもどうも、おはようございます!いやー高齢者だからたんぱく質を摂らなきゃね!肉だよ、肉!」

とかなんとか、親しげに会話しているところを見ると、常連なのでしょうか。
こういうの、好きです。

そうこうしている間に、私が注文した「長峰定食 1,100円」が出来上がりました。


欲張りすぎたかも。
だいぶ苦しかったですが、残さずおいしく頂きました。
いやー、おなか一杯です。
富山弁で言えば、「はらうい」です。
私、生まれは富山なんで。

はらういので昼寝でもしたいなと思いつつ、靴を履いて外に出てみれば、驚きの看板。

多目的広場[和室]無料 ゆったりとご休憩ください

・・・・なんですと?
そんなことってあります?

どうやらここは、車で気軽にやってきて、ご飯食べて、なんならビール飲んで(運転手以外ですよ)、ゆっくり昼寝できる場所らしいです。

長峰山は絶景の芝生広場


苦しいおなかを抱えてやってきたのが、長峰山展望台。
ずいぶん立派です。


展望台からの眺めも素晴らしいし、その周囲の草原も最高です。
光合成してエネルギーを生成できそうです。
むしろ気持ち良すぎて動けません。

車でアクセスできるため、たくさんの人々がピクニックを楽しんでいました。
思い付きで来てみたけど、よかったわという声が聞こえてきて、私は激しく同意しつつ、なんならシホンケーキもありまっせと、心の中でつぶやきました。


そして長峰荘方面へ、生き生きとした緑に囲まれた道を下山します。
登山道を下ると住宅街に出まして、ヤマケイの地図に逆らって最初の分岐を左に行くと、駐車場への近道です。
ここから住宅街を歩きますが、作りこまれた庭のおうちや、目ん玉飛び出るくらいに立派な松の木のあるお屋敷など、なかなかに面白い散歩道でした。
ずっと道なりに歩いていくと、左手に立札があります。


ここを左手に登っていけば、スタート地点の駐車場です。
今回のルートを逆回りしようかと思った場合は、ちょっと入口がわかりづらい感はあります。
トイレ脇から下っていく感じになります。

所要時間・距離・高低差

合計時間 3時間31分 うち休憩時間45 分

距離7.5 km 登り512m 下り511m

9:50  登山口
10:30 光城山
11:22 天平の森着
12:00 天平の森発
12:11 長峰山 休憩15分
13:22 登山口

植物を見たり鳥の声を聴いたり、ゆっくり歩いてこのくらいの所要時間でした。

駐車場・各種情報

天平の森は火曜定休。営業期間は4月中旬~10月下旬。
キャンプ場は9サイトで要予約、焚火不可、平日4,400円、休前日、GW、夏季4,700円。

電車利用の場合は田沢駅から約2.5㎞、徒歩30分程度でさくらコースの登山口です。
田沢駅は松本駅の隣の駅で、わずか10分程度の乗車時間。
長峰山から明科駅へは、所要時間1時間35分のコースタイムで縦走が可能。

明科駅方面から登る場合は、龍門渕公園の駐車場を利用します。

こちらの公園も、桜やあやめが見事で素敵な場所です。

ラクして絶景や桜を楽しみたい方は、長峰山展望台のすぐ脇にも停められます。
ただ、同じ考えの人はたくさんいると思われ、混みます。

半日あれば楽しめて、危険個所もなく楽しい里山です。
下山後は安曇野の郷土料理、「円揚げ(つぶらあげ)」を楽しむのもおススメ。
ニジマスを揚げて、甘辛いたれをからめた一品です。
スーパーでも売られていますし、天平の森でもメニューにあります。
今回は日帰り山行なので、自宅に戻ってから円揚げをアテにへべれけになりました。