私の年表 世界が美しい理由

2024年の私が思うこと

知命を目前にした2024年、安曇野への移住という人生の転機を迎えています。

東京からの移住は、自宅の買い替えや仕事のことなど、生活の基盤を大きく変えることであり、簡単に実行できるものではありません。

ですが、何かに導かれるように、全てが上手くいっています。

私は自分の背後に存在する、「見えない何か」を信じています。

その「何か」は私を守り、導いてくれました。

まだ「耳従う」まで達していない私ですが、その声には従ってきました。

その導きのおかげで、今私は、人生を心の底から楽しむことが出来ています。

ありきたりですが、たくさんのいい出会いに支えられて、今の私があります。

中でも特筆すべきは、ともに山や沢に分け入る仲間の存在です。

登山道があれば、ひとりでも歩くことは容易です。

しかしロープを使うような沢や断崖絶壁は、互いに命を預けあえる仲間がいなければ、行くことができません。

今この世にいるたくさんの人たちも、百年たったら誰もいない

塵からうまれて塵にかえる、そんな一瞬の瞬きのような人生の中で、仲間に出会えたこの奇跡。

休みが合って気が合って、やりたいことや技術レベルが合って、そんな仲間に出会うなんて、奇跡じゃなくて一体何と呼べるのでしょうか。

命に限りがあることを実感として理解することで、生きていることの素晴らしさを知り、「人生はおくりもの」と心から言えるようになった今、本当に世界は美しいのです。

この「おくりもの」は、何千年、何万年も前から受け継がれてきた、命のつながりです。

全ての出会えた人たちと、彼らを生んでくれた人たち、そして私を生み育ててくれた母に、心から感謝しています。

私の年表(抜粋)

2016年12月 

鍋割山でステーキを食べる。

2017年2月

塔ノ岳すき焼き山行。道中、「すき焼きって、もっと楽に食べられないの?」という身もふたもない発言が飛び出す。

2017年11月

午後から金峰山に登って山頂で日没し、怖い思いをして山にのめり込む。

2018年1月

仕事の取引先の人と一緒に、鳳凰山でテント泊を経験する。テントはその人のもの。

2018年2月

ひとりで冬の八ヶ岳(権現岳)に挑み、山頂でカップラーメンを食べたら、すぐに冷めて食えたものではなかった。

2018年5月

GWに正月の鳳凰三山でピークを踏んでいなかった薬師ヶ岳へ、同メンバーでテント泊山行。雨の北岳でテント泊をした話を自慢げにされて、「だいたいの経験はしてるからね~(ドヤ顔)」にムカつき、「なんだよ、雨でテン泊したらえらいのかよ」と、後日わざわざ雨の日を狙って瑞牆山のふもとでテン泊をする。

2018年5月

初めて自分のテントで、ソロで泊まった富士見平小屋。夜のトイレはこわくて、後ろを振り向けず。

2018年8月

奥穂高岳~北穂高岳を、テントで二泊三日の縦走。なんか自分が登山上級者になったような錯覚を覚える。

2019年1月

年末年始は、テント泊で甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳、木曽駒ケ岳をうろつく。

2019年6月

残雪の燕岳でテント泊をした際に、マットに穴が開いて空気がもれて、眠れぬ寒い一夜を過ごす。

2019年10月

折立から薬師岳へ、冷たい雨の中、ずぶぬれで登る。このころから黒部源流に魅かれ始める。

2019年12月

初めてのバリエーションルート、星穴岳にて懸垂下降をし、なんかクライマーの仲間入りをした気になる。

2019年12月

単身屋久島へ飛び、宮之浦岳へ登る。途中、ひげもじゃカナダ人と友達になり、デスヴォイスで歌うドラゴンボールを聴かされる。

2020年6月

初めての沢は毒水沢。沢をやらないなんて人生損してた、ということに気づき愕然とする。

2020年8月

ホラ貝のゴルジュで有名な釜ノ沢を遡行、初めての沢泊。

2020年8月

夏休みは黒部源流5日間。薬師沢小屋の前を、「やまとけいこさんいないかな・・・」と、通り過ぎるだけ。

2021年1月

醤油樽の滝でアイスクライミング。この頃今の仲間と出会った。

2021年3月

雪の五竜岳にひとりで行き、雪洞泊で熱燗を楽しむ。

2021年10月

勤続10年のボーナス休暇の一部を使って4泊5日北アルプス縦走中、大キレットで暴風雨に殴られながら槍ヶ岳~穂高岳山荘へ歩く。当分、穂高なんか見たくないと、心折れる。

2021年11月

もう寒いのに、それでも沢登り。もうだいぶ、頭おかしい。

2022年1月

冬季バリエーションの入門、阿弥陀北稜へ。夜は毎度のごとく、赤岳鉱泉で「明かりはぼんやり~」とか言いながらへべれけ。

2022年7月

赤木沢のつもりが、天候悪くて「飲みに行った岳」になった薬師沢小屋で、念願のやまとけいこさんに出会い、一緒に盃を酌み交わす。そしてけいこにプロポーズ。

2022年8月

赤木沢へ再挑戦。その美しさにコテンパンにやられて、「沢やんねーやつはバカだ!」という名言爆誕。

2022年9月

前穂北尾根。山頂で日没し、パタゴニアのロゴみたいな夕焼けを見る。上高地から沢渡駐車場まで歩く羽目になり、行動時間25時間。眠さで幻覚を見ながら歩く。

2023年3月

もはや年中行事となった五竜岳での雪洞泊が、イグルー泊へとなったものの、天気があまりによくて気持ちよかったため、2時間かけて作ったイグルーの外で寝る。翌日は二日酔いの雰囲気が蔓延しており、山頂へのアタックは、「どう行くかじゃない。いかに行かないかだ。」で終わり。

2023年6月

薬師沢小屋の小屋明前。けいこが太郎平小屋にいる情報をつかみ、飲みに行こうと折立へ。ただ登るのじゃつまらないからと、ヤクシ谷を遡行することに。あえて事前情報を最低限の状態で臨んだところ、先の見えないやぶ漕ぎでメンタルがやられる。

2023年6月

大常木谷~竜喰谷の遡行で滑落、足を痛めて、どうやらもうアイスクライミングはできない模様。

2023年8月

黒部の山賊ファンの聖地、伊藤新道へ。台風が接近していたが、普段の行いがよかったのか、絶妙のタイミングで踏破。

2023年8月

岩井谷を遡行し、薬師沢小屋へ。かなり序盤で美しい景色にやられて幕営してしまったため、二日目の行程が長すぎ、薬師沢小屋への到着が午後8時を過ぎでけいこに叱られる。

2023年12月

アイスクライミングができないならワカサギでも釣ったれと、ワカサギ釣りにドはまり。紅サシで指先が染まり、「職人の手みたい」とネイルきらびやかな女子から言われる。そのかたわら、安曇野への移住計画が始動。

2024年3月

仲間が足をポッキリやってしまい、今年の夏の沢はおあずけになる予感。
2024年4月
無事、長野へ転勤できることになった。

To be continued・・・

 

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