立山がひたすらに美しい話

立山は金で登る

立山と言えば、長野~富山間をつらぬく立山黒部アルペンルートがあまりに有名です。
そう、立山(正確には室堂)へ行くには、金にものを言わせればよい。
今回は長野県側からのお話ですが、扇沢で12,300円(2024年時点、扇沢~室堂の往復)支払って4つの乗り物を乗り継ぎ、なんなら寝てても標高2450mの高みへ行けるというわけです。

料金や割引プランは年月とともに変わるでしょうが、乗車の10日前までに予約すれば、12,300円のチケットであれば11,200円になるという「夏の早割10」というものもあります。1,100円あれば生ビール一杯くらいは飲めますよね。公式HPを要チェック!

その分、駐車料金は節約したい

大変メジャーな観光地のため、扇沢周辺には駐車場が何か所もあり、どこに停めたらいいのやら戸惑うかもしれません。
できるだけ歩かずに済む&お金のかからない場所に停めたいですよね、わかります。
駐車料金?はした金だろ?というお金持ちは駅近くの有料駐車場にどうぞ。
12時間で1,000円・・・なのに、無料駐車場からたいして離れていません。
なお、無料駐車場への入り口は、スノーシェッド内にあります。
看板が出ているので、見落とさないようにしましょう。
さもなくば、その先の有料駐車場のゲートに吸い込まれて、びっくりするような金額を支払うことになるかもしれません。

無料駐車場

扇沢駅

4つの乗り物を乗り継ぐ

まずは電気バスに乗ります。所要時間は約16分。
事前に予約していた場合は、この乗車時間は守らなければなりませんが、そうでなければ行き当たりばったりで問題ありません。30分間隔で発車していますので、待ち時間もたいしたことはありません。
なお「お弁当」を買っておきたいなら、扇沢で買っておくことをおすすめします。
初めて訪れた時、「観光地だし、途中の売店で鱒の寿司的なものが買えるだろう」と思ってたんですが、そんなことはありませんでした。

電気バスは黒部第四ダム、いわゆる「くろよん」まで我々を連れて行ってくれます。そこから徒歩でダムを横切って、ケーブルカー乗り場へ向かいます。道中、軽食売り場やレストラン、土産物売り場もあります。

続きましてのケーブルカーは、所要時間約5分。
急勾配を文明の力でぐいぐい登り、黒部平へ。

黒部平は売店も充実していて軽食もとれ、庭園もあり、楽しめる場所なのですが、GWのようなトップシーズンにはとんでもないことになります。
整理券が配られてロープウェイが2~3時間待ち、建物内はぎゅうぎゅう詰めで、ちょっと蕎麦でも食べようかななんてことは望むべくもなく・・・覚悟を持って行かれたし。

閑散期や平日は、乗り合わせの時間で売店を見て回れるくらいの、ちょうどいい乗り継ぎになっています。
ロープウエイからの絶景は、どうぞご自身でお確かめください(人が多くていい写真が撮りづらかった)。
そして室堂への最後の乗り継ぎ、立山トンネルトロリーバス(電気バスに移行予定)に10分乗車します。

室堂で泊まるならココ

乗り継ぎを重ねに重ねて、ようやく到着する室堂。
地中の乗り物を乗り継いできた眼にまぶしい、立山連峰。
写真は夏に訪れた時の物です。

せっかく大枚はたいて来たからには、日帰りはもったいない。
お金持ちはホテル立山にでもお泊りあそばせばよいでしょうが、最近のお気に入りは、室堂から歩いて30分ほどの場所にある雷鳥荘です。
かつては雷鳥沢にテントを張っていましたが(その頃は一泊500円だった)、ここに泊まってからはラクすることがやめられません。
部屋にゴミ箱はあるし、コンセントもあるし、ポットのお湯は無料で使えるし、洗面所はお湯が出る上にペーパータオルまで設置されているし、トイレはウォシュレット付きだし、お風呂も入れるらしいし(入ったことないのでよく知らん)、「山小屋」と思って行ったらびっくりして目が丸くなります。「ホテル」と思って行ったら、がっかりするでしょう。
てか、ホテルじゃないし。

入口には飲み物が売られていて、今年からはPaypayで支払えるようになっていました。
トイレはウォシュレット付きなのに、通過するだけの人も無料で使えます。
フロントに声掛けも不要とのこと。
これだけでも卒倒もんです。

こんな素敵な場所で、生ビールが飲めます。
山小屋なので、持ち込んだお酒やおつまみで、楽しくやれます。

雷鳥荘の立地的に、天気がいい日は夕焼けが素晴らしいです。

運が良ければ、こんな美しい黄昏に出会えます。

2024年6月に訪れた時は、まっちろでした。
室堂から横殴りの雨にやられながら、びっしょびしょになってたどり着きましたが、体温で乾かしてやりました。

半世紀を生き抜いた祝いの宴。
お酒は手取川と七賢を飲ってやりました。
仲間が持ってきてくれたんですよ、ありがたいですね。
あと何年くらい、こんなことやれるのかな。

四季折々の立山

宴の翌朝はいい天気。6月下旬はまだ雪が残っていて、夏山と言う雰囲気でもないです。

こちらは秋の様子。
草紅葉が見事で、錦のようです。
雷鳥沢にテントを張って、紅葉と夕焼けの赤に抱かれるべし。

同じ場所の、GWの様子。
スキーを楽しみに来る人もたくさんいます。

6月下旬で、このぐらい雪が残っています。

秋には金色になります。
この世のものとは思えない美しさです。

ド素人が撮った写真でもこれですから、実際に見たら、目ん玉飛び出てアゴが地面をえぐります。

何時間も歩かずとも、こんな景色に出会えるなんて、どうかしています。

雪がある季節はこうなります。

雄山への道

とりあえず雄山(おやま)をめざして歩く道中、雪解け水が美しいし冷たい。

一の越山荘。

売店のラインナップはこんな感じでした。
残念なことに、ノンアルコールビールはなかった・・・。

一の越山荘を、ちょっと上から見るの図。
雄山へは、室堂ターミナルから歩いても2時間20分という短いルートですが、一の越から雄山までの1時間は、悪天候の時はひどいことになります。
いくらイージーでも、3000m級の高山だということを忘れてはいけません。

一の越から小一時間登ると、雄山の山頂に到達します。
夏の季節には、写真左手の建物でお守りなどが売られています。
父が手術した時は、ここでお守りを買いました。
父も富山生まれなので、護ってもらえるような気がして。

この先の雄山山頂へは、夏は拝観料が必要です。
6月下旬はまだ無料でした。
何度見ても、神々しい・・・。

これまでの無事に感謝し、今後の無事に祈りを捧げます。
あと、両親が末永く元気でいてくれますように、とも。

帰路は黒四ダムを楽しむ

帰り道の黒四で、偶然にも今日から始まったという観光放水に出会いました。
しかも虹が美しいとは、持ってますねー。日頃の行いがいいのでしょう。
太陽との位置関係からすると、午後に行けば虹が見られるでしょう。

黒四の東側(バス乗り場側)にある黒部ダムレストハウスで、食事ができます。
1階でドリンクやらアイスやら売っていますが、その右側にある階段を上るとフードコートみたいな場所があります。
ザックは担いだままで構いません(2024年現在)。
食券を購入したら、注文が通っているタイプなので、そのまま席につきましょう。
ド定番でありがちな「ダムカレー」がありまして、何のカツか分からないものが乗っていますが、十分うまい。
立地的に、値段がどうのとか味がどうのとか言うのは、筋違いかと思います。
ちなみにトップシーズンは長蛇の列になるらしいです。

熊出没注意

扇沢へ戻ったら、無料駐車場は封鎖されていました。
行きの時に熊が樹上におりまして、近道を使えなかったのですが、その後封鎖されたようです。
もちろん車を出すことはできますが、新たに駐車はできなくなっていました。
今後も出没する可能性は十分にありますので、車内に食べ物は置いておかない方がよいでしょう。