美ヶ原とはどんな場所?
美ヶ原とはその名の通り美しい高原で、一切名前負けをしておりません。
長野県松本市、上田市、長和町にまたがる広大な高原台地は周囲を遮るものがなく、夏は牛が放牧される牧歌的な景色越しに、南北のアルプスや御嶽山を眺めることができます。
最高地点は2,034mの王ヶ頭(おうがとう)で、日本百名山の一座です。
王ヶ頭のすぐそばには「王ヶ頭ホテル」があり、宿泊者は車での送迎があるため、歩かなくても日本百名山に登頂できるという、いわば観光地です。
王ヶ頭ホテルのカフェで食べられるケーキセット

美ケ原は車でラクに標高2,000mの世界に来ることができ、東側からはビーナスライン経由で山本小屋付近に駐車、西側からは美鈴湖を経由して「美ヶ原自然保護センター」に駐車します。
東からのアクセスはこちらに駐車
西側からのアクセスはこちらの駐車場へ
冬の美ヶ原へのアクセス方法
夏の美ケ原のお話は別の機会に譲るとして、冬の時期は果たしてどこまで車で行けるのか?
王ヶ頭ホテルに泊まれば美鈴湖からの送迎バスがあるようですが、日帰りで歩きたい時にどこまで車で行けるのかを、この度チェックしてきました。
ビーナスラインは通行止めになりますが、長和町営無料駐車場までは、長和町方面より県道178号経由であれば到達できるようです。
しかし道中、Nおじさんのギャグぐらい滑りそうなので、今回はもうひとつのアクセスポイントを使ってみました。
こちらの駐車場を目指していけば、車を停められるスペースがあります。
Google Mapの表示通り、こちらは冬季閉鎖中になっています。

ですが、そのすぐそばに駐車場があります。
行けば分かります。

王ヶ頭を目指して
今回のルートは距離にして10.7km、高低差は773.9mの行程です。
いこいの広場から登って王ヶ鼻、王ヶ頭を経由し、東側の百曲りコースへとぐるっと一周して戻ってくるルートです。
こちらから「ダテ河原コース」とやらへ入ります。

ヤドリギがすごい!
家の庭木にも宿らせてみたいと思ったのですが、ここまで丸くなるまでに20年ぐらいかかるらしいです。

気持ちの良い静かな森を歩いて行きます。

この足跡の他にも、うさぎやシカの足跡も縦横無尽についています。
この寒い中、何を食べて命をつないでいるのでしょう。

ぐっと標高を上げて分岐点に到着後、右に行けば間もなく王ヶ頭ホテルですが、せっかくなのでぐるっと一周回って王ヶ鼻を目指すことにします。
左に向かい、「二人の小道」というロマンチックそうな名前のルートに入りますが、ほっそいトラバース道で、何が「二人の小道」じゃ!!

自然保護センター方面の景色。
夏に散策するなら、自然保護センターの手前にある「思い出の丘」から歩いてくるのがとってもおすすめです。

ほっそいトラバース道にうんざりしながら、ようやくたどり着いた王ヶ鼻。

たまに青空が見えますが、基本グズグズ言っている空模様。

王ヶ鼻から20分程度で王ヶ頭です。
ホテル宿泊者らしき人が、スノーシューを履いて散策してたりします。
ちなみに足元はとっても安定しているので、スノーシューどころかチェーンスパイクもいりません。

王ヶ頭ホテルのカフェでカレーを食べたかったのに
王ヶ頭ホテルに着きました!
おなかも空いたし、カレーが食べたいな。

絶対「臨時」じゃないよね。
ねじでガッチリとめちゃって、今日だけ休みだから貼ってあるって感じじゃないよね。
冬は宿泊客以外のためにカフェを開ける気がないよね。

王ヶ頭ホテルの正面から。
お食事が大変美味しいホテルですが、宿泊客以外には冷たい・・・。

もうさっさと下山してカレー食べに行くことにします。
美しの塔まで行くとか、ヤメヤメ。

夏はこの柵ごしに、放牧されている牛を見ることができます。
青空だともっとテンションが上がるのですが、ふきっさらし故の冷たい風が、カレーの恨みに震える心に辛い。
やはり2,000mの高地なので、ちゃんと寒いです。

ちょっと青空が見えると、やっぱりきれいですね。
広大な原っぱなので、吹雪で視界がなくなると、容易に道に迷うでしょう。

夜は秘密の場所で野宿
下山後、諸事情によりあまり歩けない仲間を1名ピックアップし、いつもの「宴会野宿」です。
今回の野宿場所は、松本市内のとある場所。
夏は水遊びやバーベキューを楽しむ市民でにぎわい、無料のキャンプ場としても整備されています。
冬はトイレも閉鎖されており、水も出ませんので、貸し切り状態で野宿できると見込んでのチョイスです。

夏だとこうはいかない、貸し切り状態ならではの、あずまや活用野宿。
風が寒いのでタープで風よけを作りますが、同じ製品かな?と思うほど色が違う。

タープの決定版
寝床は地べたです。
エアーマットの下にもう1枚ペラマットをしいておけば、快適さも増す上に、お高いマットに穴を開ける心配が軽減されます。

ぺらぺらマットの決定版
寝床は貧相でも、食卓は豪華。
先日熱海で釣ったカワハギのひれ酒と、伊豆で買った桜の花の塩漬けを使ったお漬物で、思い出をよみがえらせます(どうせまた残置するけど)。
曲げわっぱに入った干物が、いい雰囲気。

カワハギのひれ酒は絶品ですが、市販されているのは見たことがありません。
入手できない方はフグのひれ酒でガマンしてください。
さあ今夜も、死ぬほどくだらない話で飲むぞ。
そしてなぜか、気持ち悪い話選手権が開催されます。
野宿やキャンプをする時は、箱ティッシュがあると何かと便利なものです。
寒いと鼻水も出ますしね。
宴もたけなわですが、眠くなったらすぐ寝られる。
それが野宿宴会のいいところ。
テントへの出入りすらありません。

翌朝、ばっちり雪が積もっていました。
下界だからと油断していたら、プラティパスに入れていた水が凍っていました!
車の中に置きっぱなしだった、2リットルペットボトルの水は無事だったので、やっぱり屋根と壁がないと冷えるのですね。

撤収後は、コメダ珈琲でカロリー摂取のとどめです。
シラフのはずなのに、話している内容のばかばかしいこと。
飲んでなくても、くだらない話しかできない面々でした。

年のせいなのか、厳しい吹雪とか、冬のアルパインとか、挑戦する気になれなくなってきました。
行かなければ行かないほど、より心理的なハードルも高くなってくるというのもあります。
まったり美ヶ原とか釣りとか、そういうのが楽しいお年頃でした。