廻り目平で熱燗極寒キャンプからの、パノラマコース散歩

廻り目平は最高だし、冬はタダ

廻り目平キャンプ場は、野趣あふれる最高の野営場です。
標高約1500メートルの高地にあり、村営でリーズナブル。
一応、水洗トイレやシャワーブースや流し台がありますが、高規格キャンプ場に慣れた人からすれば、とんでもない場所かもしれません。

一口に「キャンプ場」と言っても、蛇口からお湯が出たり電源があったり、ごみが捨てられたりするような場所から、単なる野っぱらで勝手にせーよ、という場所まで、設備もお値段もピンキリです。
安ければ0円、高いのは高級ホテルなみで、余裕で東横インより高いです。

廻り目平キャンプ場はシーズン中でも激安で泊まることができ、キャンパー、クライマー、ハイカー、鹿、キツネ達が集う、憩いの場所です。


シーズン中は入口にゲートがあり、ゲート式のコインパーキングみたいになっています。
退出するときに金峰山荘で精算するので、入場したらそのまま、エリア内のお好きな場所に設営してください。

フリーサイトで直火OK、薪は結構拾えるし(冬は大豊作)、トイレは水洗でトイレットペーパーもあるという、野宿派のリッツカールトンです。
しかも冬季は無料開放という寛大さよ。

ちなみに冬季は、お金もかからず人もいない分、水も出ないしトイレも開かない、全て自己責任の世界になっていますので、ご注意ください。

お買い物はナナーズ川上店で。
クライミング用品店のカラファテもありましたが、なんと2023年11月末をもって閉店し、現在はROOF ROCKというお店が引き継いでいるようです。

廻り目平から約14キロ離れていますので、お買い忘れのないよう、特にお酒は多めに買っておきましょう。
お酒は荷物になりませんので。

「ひまわり市場」もおすすめです。
シャレたものがたくさん売られており、ワタクシ御用達の朝岡スパイスもありました。
全般的にお値段はお高めで、成城石井みたいな感じです。

設営と薪集めは阿吽の呼吸で

今日の設営場所はこちら。
広大な敷地の中に、私が勝手に自分の別荘認定している場所が3ヶ所あり、ここは第2別荘地。
木が多いのでロープを張るのに都合がいいんだな。

誰もいない貸し切りの森の中、野宿者のニュータウンが設営されました。
言葉が一切なくても、考えていることが全て伝わってあっという間に設営される、阿吽の呼吸とはまさにこのことです。
それにしても、ちゃんと寒い。
大雑把な計算ですが、気温は高度100mごとに0.6度下がるため、1500mの廻り目平では下界より9度低いとういことになります。

設営したら薪集め。
冬の廻り目平は枯れ枝が拾い放題で、宝の山です。
白樺が伐採され、丸太になって転がっていたので、それも手ごろなやつを引きずって回収しました。
あっという間に枯れ枝が集まりますが、これを「薪」にする作業が必要です。

私のゼットソーが火を噴くぜ!
先日、仲間が替え刃をくれました。
地味にうれしい。

枝は、適切な長さに切り、太さごとに分別します。
結構時間も手間もかかるのですが、これも焚火の楽しみのうち。
力仕事ですっかり体もあたたまり、極寒のはずなのにビールが飲みたい!
デスクにかじりついて仕事をするより、体を動かして働く方が楽しいなぁ。

焚火と熱燗とくだらない話と

焚火を囲んでの宴会は、至福でしかないですね。
死ぬほどくらだない話をして、酔っぱらってそのまま寝られるなんて、最高じゃないですか?

Nおじさんは、焚火2級の資格を持っているそうです。
ちなみに焚火1級になると、放火をしてもいいらしいのですが、日本ではまだ時期尚早ということで資格保有者がいないとのこと。
北米ではポピュラーになりつつあり、トランプ氏が大統領に就任したらその流れが加速する見込みです。
何せ炎上が大好物なんで。

というくだらない話に花が咲く。

フグのひれ酒。
ひれはこんがりとあぶって、あっつあつにした日本酒に「ジュッ!」と放り込むと、香ばしい香りといいダシが出て最高です。
これひとつで、米とお吸い物が摂取できる、一品で全て完結の完全食です。
本当はカワハギのひれ酒の方が美味しいと思うのですが、フグひれは買えるけど、カワハギは釣って自分でひれを加工しないといけないので、普段はフグで妥協(ゼイタクな!)しています。

前回、ワカサギ釣り後に使った天ぷら油をキャリーオーバーしていたので、カキフライにしてみました。
激ウマ。

焚火で鍋物を作ります。
寒い夜に熱燗と鍋・・・BGMは八代亜紀がいいかも?

お玉?そんなもんないから直でシェラカップですくえばいいんだよ!

とは言ってなかったと思います。

いい熾火になりました。
パックの中に入っているのは生のラディッシュです。
いつの間にか凍っていました。

明日はあのギザギザの稜線あたりを目指して、お散歩することにしましょう。

パノラマコースから屋根岩を目指す

朝はお約束の「起きたら負け」大会から始まり、金峰山に登るのもダルいからパノラマコースをお散歩することになりました。
地図にもルートが載っていて、厳冬期はここからカモシカ遊歩道を経由し、唐沢の滝でアイスクライミングを楽しむことができます。

パノラマコースからは屋根岩方面を目指すことができ、クライマー以外はこの先へ行くなという印があります。
屋根岩をクライミングしなくても、軽いハイキングだけで見晴らしの良い岩の上に出られるから行こうよ、とNおじさんを連行。

「軽いハイキングだけと聞いておりましたが!」

との、Nおじさんの抗議は無視します。

どこからアクセスできたんだっけ?と、だいぶウロウロしましたが、絶景ポイントにたどり着くことができました。
このポイントは、ずいぶん前になんとなく道を外れて探索していた時に見つけたもので、当時はクライミングもバリエーションルートもやっていなかったのですが、どういうわけでたどり着いたのか謎です。

日本のヨセミテと呼ばれる、クライミングのメッカならではの景色です。
これまで色々なルートに挑戦してきましたが、最近はご無沙汰しております。

チョークバッグの忘れ物発見。

晴れた冬の森を散歩するのは、気持ちいい。

清里カレーで締める

ほどほどに森を散策した後は、ランチして帰ることにします。
今回は清里カレーを選択。
浮かれたクリスマス仕様の萌木の村。

萌木の村には複数の飲食店や土産物屋、雑貨屋などが立ち並んでおり、「ROCK」のカレーは清里カレーの元祖だとか。
似た感じのカレーが、中央道八ヶ岳PA(上り)でも食べられます。

ROCKのカレーはかなりボリューミーですが、なんと4分の1サイズがメニューに加わっておりました。
おかげでこれまで試せなかったサイドメニューが試せるぞ!と、フライドチキンを注文するワタクシ。

店員さん「ハーフとレギュラーのどちらになさいますか?」
ワタクシ「レギュラーってどのくらいの量ですか?」
店員さん「レギュラーが8P、ハーフが4Pです」

8ピースって、そんなに食えるかーい!
というわけで、ROCKのメニューはいずれもボリューミーそうなのでご注意ください。

そしてお約束の、「なめられちゃいけねぇんで」が始まるNおじさん。
同じくチキンも注文しつつ、カレーをレギュラーにするかハーフにするかで、なめられちゃいけねぇを発動し、店員さんにからみます。

Nおじ「ハーフにしたら、こっそりバカにしない?」
店員さん「バカになんてしませんよ~(笑)」
Nおじ「ほんと?バックヤードでみんなに言わない?」
店員さん「言いませんから(笑)今回は内緒にしときますんで!」

と、のってくれました。

食後は場内を軽く散歩してみましたが、クリスマスムード一色です。
このトナカイたちは、よく燃えそうだ。

ちゃんと変顔でおさまりますが、表情がよく写っていないのが残念。

冬のキャンプと清里観光のススメ

アウトドア初心者にとって、冬のキャンプはハードルが高いのかもしれませんが、焚火のあたたかさが身にしみるし虫もいないし、おすすめですよ!

冬も営業しているキャンプ場はたくさんありますが、やはり廻り目平の自由さがダントツで好きです。
色々なリスクも不便さも全て引き受けた上での自由ですが、そこにこそアウトドアの楽しみがあると思います。

・ガス缶は低温下でも使えるものを選ぶこと(普通のカセットコンロ用のボンベは使えません)。
・防寒対策はしっかりと。焚火にあたっている前面はあったかいけど、尻は寒い。
・水は凍らさないように抱いて寝る。コンタクトレンズも凍らさないように。
・トイレはアウトドア用のキットを持参して、持ち帰りを。

おおむねこの程度のことに注意して、冬用のマットとシュラフを用意すれば、冬キャンプも楽しめるはず。

そして萌木の村でカレーを飲んだり、清泉寮でオリジナルハンバーガーやプリンやソフトクリームを楽しんだりすれば、充実した休日となることでしょう。

↓清泉寮のジャージー牛乳プリンとオリジナルハンバーガー。
プリンはイートインの場合、ソフトクリームをトッピングしてもらえます。